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世界のスイーツが東京に集合(スイーツブームの変遷)

スイーツブームの変遷!

90年代のティラミスブームを皮切りに、独自に進化してきた東京スイーツ。ショコラティエの台頭など、パティスリーの専門化が進む中、いまパティシエたちが目指しているのは「グラスリー」の世界!
文:村山なおこ

撮影協力:オーボンヴュータン、ノリエット
ティラミスから始まったスイーツブームの変遷

遥か昔、日本の洋菓子のルーツは、約450 年前のカステラや金平糖に代表される南蛮菓子が渡来したことに始まります。こうした菓子が今も息づく一方で、新たなスイーツのトレンドが食シーンを豊かにし、甘い魅惑の世界を広げています。1970 年代にはパリの『ルノートル』などヨーロッパの菓子の名店がデパ地下に進出。1980 年代には原宿に「焼き立てクレープ」の店が、青山に『ハーゲンダッツアイスクリーム』が登場し、「立ち食い」「行列」が流行に。そして1990 年代、イタメシブームの流れが突破口となり、爆発的なスイーツブームを築いたのは、マスカルポーネチーズを使ったイタリア菓子「ティラミス」でした。これまでレストランでしか味わえなかった異国の味がテイクアウトできること、マイルドでクリーミーな味わい・・こうした嗜好が日本人にピタリと合ったことも一因です。その後も、海外への憧れ、旅行の影響を受け「パンナ・コッタ」「ナタ・デ・ココ」「カヌレ」「ベルギーワッフル」と続き、ポスト・ティラミス症候群は約10 年に渡り続きました。

パティシエの技が光るスイーツ

新たに21 世紀を迎えると、今度は菓子フリークスの間でも変化がおきます。有名店のブランドネームで菓子を買うのでなく、菓子職人(仏語でパティシエ、女性はパティシエール)の個性が光る味を支持する人が増え、パティシエブームの時代がついにやってきました。実際にクープ・ド・モンド・ラ・パティスリーなど世界の名だたる製菓コンクールで入賞したり、ヨーロッパ最高菓子店の会「ルレ・デセール」メンバーとなった優秀なフランス菓子職人が存在し、今の東京のフランス菓子は極めて高いレベルにあります。

フランス菓子の専門店化ショコラトリーからグラッスリーへ

現代の日本で「洋菓子」と言えば、主流なのがフランス菓子。そのフランス菓子には大きく3つのジャンルがあり、小麦粉を使った菓子類「パティスリー」、チョコレートやジャムなど砂糖菓子類「コンフィズリー」、アイスクリーム類「グラスリー」に分類されます。日本の菓子店の多くはケーキ全般の「パティスリー」を主体にしていますが、こうしたあらゆるジャンルの菓子を見事に揃えているのが尾山台『オーボンヴュータン』です。店主の河田勝彦氏は1960 年代に渡仏後、東京で本格的なフランス菓子を根付かせた先駆者。「ル・ネギュス」など珍しい飴菓子があったり、併設のカフェではフランス流儀の定義(クープ皿、アイスクリームとシャーベット、ソース、フルーツを使うこと)をふまえた本格的な「クープ」などグラスリーが豊富である点もマニア心をくすぐります。

進化を続けるフランス氷菓

こうした先人たちに刺激を受けたフランス帰りのパティシエ達が実力をつけ、得意ジャンルを極めるようにチョコレート専門店をオープンし、さらにはアイスクリーム専門店をオープンするなど氷菓に力を入れ始めるケースも少なくありません。2007 年9月には台場にアイスクリーム専門店『ラ・ヴィエイユ・フランス』や神楽坂『ジェラテリア・テオブロマ』がオープン。そして氷菓の芸術をもいえる「アントルメ・グラッセ」(アイスクリームやソルベをビスキュイなどの生地と組み合わせたケーキ仕立ての氷菓)を本格的に製造しているのが下高井戸『ノリエット』やたまプラーザ『ベルグの4月』です。こうした新たなグラスリーの世界がいま、一層の広がりを見せています。

『オーボンヴュータン』 「シュセット(1本)」200 円

『オーボンヴュータン』では、コンフィズリー(砂糖菓子)が豊富に揃う。写真は色とりどりの見た目も可愛い「シュセット(1本)」200 円。いちご、ピーチ、フランボワーズ、レモン、バナナ、マンゴーなど多彩な味わいも魅力。

『オーボンヴュータン』

焼き菓子のおいしさも定評のある『オーボンヴュータン』。バターのしっかりきいた濃厚な味わいにファンが多い。種類豊富なタルトやマドレーヌ、カヌレなどの焼き菓子のほか、クロワッサンやブリオッシュなどのパンも揃う。

「パート・ド・フリュイ(1個)」

コンフィズリーのひとつ「パート・ド・フリュイ(1個)」。果汁と砂糖を煮詰めて作った砂糖菓子で、色も味わいもさまざま。ショーケースの中でキラキラと光る様はまるで宝石のよう。(『オーボンヴュータン』)

『ノリエット』 「アントルメグラッセ」

『ノリエット』の「アントルメグラッセ」。写真は、ピスタチオがベースの「シシリアン」(手前)、濃厚なマンゴーの「エキゾチック」(左)フランボワーズの酸味がきいた「フランボワジェ」(右)。全9種類あり、各650円。

AU BON VIEUX TEMPS オーボンヴュータン
  • 東京都世田谷区等々力2-1-14
  • 9:00 ~ 18:30、水曜休
  • 03-3703-8428
  • 東急大井町線尾山台駅より徒歩5分
Noliette ノリエット
  • 東京都世田谷区赤堤4 - 40 -7 グリンヴィル1F
  • 9:00 ~ 19:00、水曜休
  • 03-3321-7784
  • 京王線下高井戸駅西口より徒歩1分

村山なおこNaoko Murayama

菓子愛好家・菓子コーディネーター。無類の菓子好きが高じ、乳業メーカーで洋菓子の企画を経て現在は「dancyu」など雑誌のライターや菓子関連のコーディネートを手掛ける。ラジオJ-WAVEの「boom-town」は月1回出演。著書に「ケーキの世界」集英社新書、「スイーツの定番」プレジデント社等。

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