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話題のパティスリーが魅せる究極夏スイーツ( トラスパレンテ 中目黒 )

2008年7月16日更新

若きシェフが創作する圧巻のイタリアンパフェ

オープンして間もないながらも、業界の注目を浴びる
『トラスパレンテ』。若き森シェフの世界観を凝縮させたパフェで、
贅沢な夏スイーツを味わいたい。取材・文/下園昌江

ブーランジェリー『トラスパレンテ』がオープン

ここ数年、東京を中心にフランス菓子以外のヨーロッパの菓子の店が登場してきている。例えばスイス、オーストリア、ドイツ、イタリアの菓子の専門店だ。
日本においてフランス菓子は華やかなケーキから素朴な地方菓子までかなり浸透してきているが、フランス以外の菓子はというとまだまだ知られていない部分が多い。そのため各国の食文化を伝えるという意味でも、それらを紹介する店は貴重な存在だ。
ここ『トラスパレンテ』はその流れをくむ、イタリア菓子とパンの店だ。
今年5月中目黒にオープンしたばかりのニューフェイスだが、すでに地域に浸透し、絶え間なくお客さんがやってくる。

日本とイタリアで腕を磨いた若き実力派シェフ

シェフの森直史氏は『フォーシーズンズホテル』や『オーバカナル』、『ラ・ルナロッサ(イタリアンレストラン)』を経て、菓子とパン作りを学ぶためイタリアに渡った。現地ではフィレンツェとボローニャで修業する。ボローニャの店では、お菓子とパンの統括シェフを務めたという実力派だ。
森シェフ曰く、「お客さんには気軽にふらっと立ち寄ってほしいと思っています。日常的な食事やおやつとして食べてもらいたいですね。そのため、あえて”イタリア”を前面に押し出し過ぎないようにしています。まずはおいしいお菓子とパンを提供する店づくりを目指しています。その上でイタリアのエッセンスを感じてもらえると嬉しいですね」と、あくまで自然体だ。

香ばしい焼き色のパンと魅惑的なドルチェの数々

店内の陳列棚には焼きたてのパンが並び、小麦やチーズの香りが店内に漂い食欲をそそられる。シンプルなバゲッドや食パンをはじめ季節の野菜を使ったフォカッチャ、キューブ型に焼いたユニークなブリオッシュなどバリエーションが豊富にそろう。
ドルチェはティラミスやボネなどイタリアの定番菓子に加え、こだわりの生クリームや卵を使用したシュークリーム、ショートケーキなど日本人にお馴染みのケーキも顔をのぞかせる。
なかでも一押しなのがスタッフにも人気の高い「レモンのパンナコッタ」。レモン風味の爽やかなパンナコッタに、シークワーサーのジュレをあわせたグラススイーツ。目が覚めるほどのはっきりした酸味は、暑い夏にぴったりのスイーツだ。

イートインでいただく夏限定のイタリアンパフェ

店内では店で販売しているお菓子やパンをいただけるが、ぜひおすすめしたいのはイートイン限定のパフェ!
今年の夏は「アマレット風味のクレームブリュレ〝ボネ" と柚子ジェラートのパフェ」と「メープルシロップのセミフレッドとパンドエピスのパフェ」の2種類が登場。

「アマレット風味のクレームブリュレ〝ボネ" と柚子ジェラートのパフェ」はイタリアピエモンテ地方の銘菓「ボネ」をアレンジしたパフェ。
こちらのボネは砕いたアマレッティ(杏の核で香りをつけたイタリアの代表的な焼き菓子)とヘーゼルナッツを加えたチョコレートプリン。中心まで焼きすぎないよう120℃という低温で蒸し焼きしているために、生地の中央はやわらかくねっとりした食感で、口の中でゆっくり溶けていく。チョコレートのほろ苦い味わいにアマレッティ独特の風味が広がり、ついつい食べ過ぎてしまいそうなおいしさ。
柚子のジェラートは、柚子のさわやかな風味と上品な酸味が特徴。空気をよく含んでいるので軽いテクスチャーで繊細にとけてゆく。夏のチョコスイーツは重くて敬遠されがちだが、チョコレートと相性のよい柑橘類をあわせることで爽やかにチョコレートを楽しめるパフェに仕上がっている。

もう1品フランボワーズのパウダーと薔薇の花びらで仕上げた優雅なパフェは「メープルシロップのセミフレッドとパンドエピスのパフェ」。メープルシロップのやさしい甘さが広がるセミフレッド(アイスの1 種)には香ばしいへーゼルナッツがゴロゴロと入っていてリッチな味わい。パンドエピスはシナモンなどの香辛料を使ったスパイシーな香り漂うお菓子。実は正確にいうとパンドエピスではなく、パンドエピスに似た「トリタディスペッツェ」というイタリア菓子を使用している。ただ日本ではあまり知られていないので伝わりやすいパンドエピスの名称を表記しているのだそう。
グラスの底にはチェリーのコンポートとソースをしのばせているので、このソースを絡めながらいただくとまた新たな味わいを楽しめる。一つのグラスの中にメープル・ヘーゼルナッツ・香辛料、チェリーの味と香りが複雑に広がっていく大人のパフェだ。

イタリアではパフェのようなデザートはあまり見られないそうだが、日本人に愛されるパフェにボネやヘーゼルナッツ、トルタディスペッツェなどイタリアで親しまれている要素を盛り込むことで、何気なくイタリアのエッセンスを感じられるのが嬉しい。イタリア通もイタリア初心者にもこの夏ぜひ味わってもらいたいパフェだ。

森 直史

森 直史

『フォーシーズンズホテル』『オーバカナル』『ラ・ルナロッサ』でお菓子とパンを学ぶ。その後イタリアに渡りフィレンツェ、ボローニャで3年間滞在し本格的にイタリア菓子を学ぶ。ボローニャの『サーラボルサ』ではお菓子とパンの統括シェフを務め実力を発揮する。2008年5月、中目黒に『トラスパレンテ』をオープン。イタリアのエッセンスを感じるお菓子とパンが人気を集めている。

アマレット風味のクレームブリュレ“ボネ”と柚子ジェラートのパフェ900円

イタリアのチョコレートプリン「ボネ」はねっとり濃厚な味わいだが、柚子と組合わせることで爽やかな夏仕立てのパフェに仕上がっている。

メープルシロップのセミフレッドとパンドエピスのパフェ 900円

セミフレッドはあっという間に溶けていく繊細なアイス。中に入っているヘーゼルナッツのカリッとした食感も楽しい。スパイシーなパンドエピスと一緒に食べることでお互いの香りが複雑に絡みあう。

レモンのパンナコッタ 430円

日本でもお馴染みのイタリア菓子パンナコッタをトラスパレンテ風にアレンジ。レモン風味のパンナコッタにシークワーサーの果汁を使ったジュレを合わせて。目の覚めるようなはっきりした酸味が印象的。

素朴な印象が強いイタリア菓子だが、森シェフの作るお菓子は美しく繊細。全体のバランスや色彩のバランスをみながら丁寧に仕上げていく。

焼きたてのパンが並び、香ばしい焼き色と香りが食欲をそそる。お菓子系のパン、野菜やチーズを使った食事パン、シンプルな食パンやバゲッドなどバリエーションが豊富で選ぶ楽しさがある。

ブレッドメニューの中でも人気の「カレ」シリーズ。ブリオッシュ生地をキューブ型で焼いたパン。チョコチップ、抹茶、ローズ、レンズ豆の餡、カスタードの5 種類が揃う。数種類を組み合わせたセットもありプレゼントに最適。

中目黒の一角に誕生したブーランジェリー『トラスパレンテ』。外観はモノトーンで構成されシンプルモダンな造りだが、店内は温かみある雰囲気。気さくで明るいスタッフが迎えてくれる。

  • トラスパレンテ

    東京都目黒区上目黒2 - 44 - 24
    COMS 中目黒Ⅰ 1F
    営業時間: 9:00 ~ 20:00
    定休日:無休
    Tel:03 - 3719 -1040
    アクセス:東急東横線中目黒駅から徒歩4分

  • 下園昌江
  • 下園昌江
    Masae shimozono

菓子研究家。スイーツの情報サイト「Sweet Cafe」
http://sweet-cafe.jp/)を運営。パティスリーでの修行経験をいかし、スイーツ関連の取材やイベントを行うかたわら、フランス菓子の菓子教室を主宰する。とびきりスイーツ見つけた!」(マーブルトロン)では100 店のパティスリーを紹介。